さて、前回までの取引先とのトラブルの話を読んで、皆さんはどう感じましたか?
第1回から第3回と読み進めていく中で感じたり考えた事ことは同じだったでしょうか?
それとも、毎回毎回違った発見・気付きがあったでしょうか?
F課長、担当のYさん、農家のBさん、どの方の立場が一番しっくりきましたか?
それとも、全く違う視点だったでしょうか?
一つの事例ですが、様々な視点で見ることができるこの話。
今回は、この話を「解決志向(ソリューション・フォーカス)」の視点で見てみたいと思います。
ソリューション・フォーカスとは、問題の原因に焦点を当てる(問題志向)のではなく、「どうなりたいか」「問題がなくなった状態とは」という未来の解決イメージに焦点を当てる手法です。
例えば、機械の不具合など原因が単純なものであれば問題志向で解決できますが、組織の課題など原因が複雑化しているものではなかなか解決に至りません。
一方、解決志向は原因が複雑なものに対して有効な手法です。
また、原因を探しているうちに犯人探し・責任の押し付け合いになってしまった!なんてことにならず、肯定的に現状や未来を捉えることができるので、取り組む方にとってもストレスの少ない方法です。
さて、事例に話を戻しますと、担当Yさんはこの一連の出来事を問題志向で捉えていました。
確かに、生産委託されたものを勝手に売ってしまった農家Bさんには責任がありますが、そうなってしまった背景には何があったのでしょうか。
責任を追及して、農家Bさんが謝って、、、一時的にはYさんの気持ちはすっきりするかもしれませんし、今回の一件については解決するかもしれません。ですが、今後についての前向きな話はできなさそうです。
一方F課長は、原因ではなく「どうなりたいか」に焦点を当てて話をしました。
その上で今回の出来事の背景を探り、どうやったら「問題がなくなった状態」にできるのか。双方にとってどうすることが一番いいのか。
過去の原因を探るのではなく未来を一緒に作っていくために話すという姿勢を持つことで、今後前向きに話ができる関係を築き、課題を解決していくことができるのではないでしょうか。
もしあなたの身近でこのようなことがあったとしたら、どちらの志向で物事にあたりますか?