正論が正しいとは限らない。
この表現、「正しいのに正しくない…とは?」となりませんか。
正論は使い方や伝え方が押し付けにならないよう注意が必要です。
「正しいのはこっちだよ」と教え伝えようとしていても
それが相手の考え方や感情をないがしろにして、自分の考え方や価値観の押し付けになっていると
相手は「自分自身が否定された」と思い、それ以上の話ができなくなります。
いくら正しいことでも押し付けられると、人は反発してしまうものなのです。
同じように「声が大きい人」という表現があります。
積極的に発言したり、立場が上の人だったりして、
全体の意見に対して大きな影響を与える人を指すものです。
このような人に多く見られるのが
何かをいい方に変えよう、変わろうとすることが目指すところだとしても
「言うことが正しい」と発言することが目的になってしまっているケースです。
「自分が正しい!正しいんだ」と相手にぶつけるように自分の想いや感情が前に出過ぎて、
そこばかりが目立ってしまい、相手には話の内容が入ってこない状態。
自分のこと(正しさ)をわかって!と発言していても
それを伝えている相手の考え方や感情を理解しようとしていないので、
せっかく正しいことを言っていても相手にその内容は伝わりませんし、
「なんか面倒な人だな」と対処されることになってしまいます。
正論を押し通そうとする人、声が大きい人
どちらも伝えようとするエネルギーはあるので
とてももったいないなと思います。
相手の考え方や感情を知るため、価値観を理解するために
まずは話をしっかり聴いて、自分の思う「正しいこと」は
「間違いを正してやろう」「正しい方を教えてやろう」とはせずに
「自分だったらその場合はこうするよ」と示すだけでいいのです。
相手をひとりの人間として尊重してこそ信頼関係が、
話がきちんと伝わるいい関係が成り立ちます。
「正しさ」は自分の価値観から生まれるものだと思います。
違う価値観に向き合うと、つい相手を攻撃するような心が動いてしまうこともあるでしょう。
自分は自分の価値観で生きている。
相手は相手の価値観で生きている。
わかってはいても忘れがちになることですが、
自分のためにも、相手のためにも、ここは大事にしたいですね。
スタッフイノウエ