スタッフのひとりごと：「なぜ？」の代わりに。尋ね方を工夫する

「なぜ？」と問いかけることは、相手の思考を深めるために有効なように思えます。
この「なぜ？」には少し注意が必要です。

状況によっては、尋ねられた相手は「自分は責められているのか？」と感じたり、
防御姿勢をとったりする可能性があるからです。

職場などの上下関係があるような場合には、「なぜ？」の代わりになる別の表現を工夫するといいでしょう。

 

「なぜ？」は理由を尋ねるシンプルな問いかけですが、
例えば上司が、部下に対して「なぜこのようなミスをしたの？」と聞いた場合
言外に「あなたは間違っています」と責めている印象を部下に与えやすいです。

部下は「言い訳をしなければ」「納得してもらえる回答をしなければ」と感じて、
正直な答えを避けたり、言葉を濁したりする可能性があります。

これでは理解を深めるための対話となりません。

 

相手が「問い詰めらている」と感じやすいケースは、
多くの質問をするときと、「なぜ？」「どうして？」と理由を尋ねるときです。

1つ目の多くの質問をするときには、
「〇〇の件についてみんながどう考えているのか教えてもらってるんだけど
　あなたの話もいろいろと聞かせてください」
「〇〇の件についてしっかりと理解したいので、初歩的なところから確認させてください」
のように、はじめにその理由を伝えるといいでしょう。

特に否定的な内容を含む場合や、相手が言いにくいことを尋ねる場合には
事前の説明は大切です。

2つ目、理由を尋ねるときには「なぜ」「どうして」などの
詰問のように感じさせる表現を控えるようにしたいですね。

前述の「なぜこのようなミスをしたの？」という質問も
「なぜ？」の代わりに別の表現を使うこと、相手が話しやすくなると思います。

・「あのアプリを採用した決め手を教えてもらえますか？」
・「対応の遅れになった要因をいくつか挙げてもらえますか？」
・「判断した基準は何か聞かせてもらえますか？」

（ここで文字だけ見ると、「なぜ？」の問いかけと変わりないように感じるかもしれませんが）

ミスにつながった行動の理由を尋ねることで、相手は質問と自分自身をわけて考えることができます。

 

もちろん口調や語気が強いと、どのように尋ねても詰問されているという印象を相手に与えてしまいます。

「話しても大丈夫」という安心感と、「理解したいので教えてください」という謙虚に聴く姿勢は大切です。

 

スタッフイノウエ