「この人と話していると、安心して自分のことを話せるな」と感じた経験はありますか?
それは、相手があなたの話をしっかり聴いてくれていると実感できたからではないでしょうか。
対話では、話し手が「ちゃんと受け止めてもらえている」と感じるように聴くことは大切です。
相手の話を深く理解することで、信頼関係を築くことができると思います。
ビジネスの現場やマネジメントにおいては、部下や同僚の話をしっかり聴き取ることで誤解を防ぎ、
スムーズなコミュニケーションにつなげることができるでしょう。
聴き方のポイントとしては、「言い換え」「要約」「相槌(リアクション)」の3つがあると思います。
【言い換え】
話し手の言葉をそのまま繰り返すのではなく、少し変えて「こういうことですよね?」と
確認しながら話を進める方法です。
これによって、話し手には「ちゃんと理解しようとしてくれている」と伝わります。
例えば、部下が「仕事のプレッシャーが大きくて、うまくこなせるか不安なんです」と相談してきたとしましょう。
このとき、「ああ、大変なんだね」だけではなく、こんなふうに言い換えてみるのはどうでしょうか。
「仕事のプレッシャーが強くなってきて、負担に感じているんだね」
言葉を少し変えて繰り返すことで、「この人はちゃんと私の話を聴いてくれている」と安心してもらえます。
また、話し手が「そうなんです」と続けて話しやすくなります。
【要約】
長い話の場合には、要点を整理して
「あなたが話してくれたことは、こういうことであっていますか?」
と話の内容を短くまとめて確認することです。
話し手が伝えたかったことが、きちんと聴き手に伝わっているかの確認ですね。
もし伝えたかったこととズレているようなら、話し手はここで訂正や補足ができます。
聴き手との認識のズレを防ぐことができますし、
「自分の話がちゃんと伝わっている」と話し手も安心できると思います。
要点を整理することで、お互いの理解が深まり、次のアクションにもつなげやすくなります。
【相槌(リアクション)】
「聴いているよ」というサインを相手に伝えるために、相槌は欠かせないでしょう。
ただ黙ってじっとして聴いているだけでは、相手は「この人、ちゃんと聴いてるのかな?」と不安になってしまいます。
適切な相槌を入れることで、話し手も話しやすくなります。
・短いリアクション
「なるほど」「それは大変ですね」「そうなんですね」など、
相手の話に寄り添って、短い言葉を入れることで「聴いているよ」が伝わります。
・感情がこもったリアクション
単に「へえ」と言うだけでなく、「へえ、そんなことがあったんですね!」と
感情がこもっていると、より共感は伝わりやすいです。
・非言語のリアクション
うなずいたり、表情を変えたりすることで、言葉を使わなくても「聴いているよ」というメッセージは伝わります。
驚いたときには少し目は大きく開くでしょうし、面白いと感じたときには表情がゆるむというようなことです。
少しテクニックのような内容となってしまいましたが、
「相手に安心して話をしてもらえるか」は、対話においてとても大切なので
できてないかもと感じるようでしたら、意識して繰り返してみるのがいいと思います。
・言い換えで、自分の理解を確認する
・要約して、ポイントをお互いに整理する
・相槌を適切に入れて、「聴いているよ」を伝える
「この人と話すと、気持ちが整理されるし、すっきりする」と感じてくれるようになれば、信頼関係も深まるはずです。
あなたの周りの人との対話が、より深く、心地よいものになりますように。
スタッフイノウエ