スタッフのひとりごと:対話・会話・議論・討論

誰かと話をしていて「この人とは話がかみ合うな」と感じたことはありませんか?

逆に「話しているはずなのに、うまく伝わらない」「言い合いになってしまった」
という経験もあるかもしれません。

それは、ただ言葉を交わしているだけでは、「対話」とはならないことがあるからといえます。

対話とは、単に言葉をやりとりすることではなく、
「お互いの考えや気持ちを理解し、より深い関係や新たな気づきを生み出す」
ためのコミュニケーションの形です。

では、日常的に使われる「会話」や「議論」、「討論」とは何でしょうか? 
「対話」とは何が違うのでしょうか?

これを尋ねられると答えるのが難しいです。

それは言葉の定義や解釈については、扱う人によって違うから。

それぞれの言葉について、説明の例を挙げますが、
「これまでに見たことのあるものと違う」、あるいは「自分が知っているものと違う」
ということもあるかもしれません。

「こういう分け方があるんだな」くらいの感覚で見ていただいて大丈夫です。

 

●会話とは?

「今日は天気がいいですね。」
「この前の映画、面白かったですね。」

こんな何気ないやりとりも、私たちの生活には欠かせません。

会話は気軽に言葉を交わし、情報や感情を共有するためのコミュニケーション。

会話の目的は、楽しさや親しみを感じることといえるでしょうか。

例えば、友人とカフェで雑談をするときや、仕事の休憩時間にちょっとした話をするとき。

特に深い意味がなくても、共通の話題について気楽に話すことで、人と人とのつながりを感じることができます。

会話だけではお互いの価値観や考えを深く知ることは難しい場合もあります。

表面的なやりとりで終わることが多いため、「本当に伝えたいことが伝わらない」と感じることもあるかもしれませんね。

 

●議論とは?

「この企画について、どう進めるべきでしょうか?」
「どの戦略が最適か、意見を出し合いましょう。」

議論は、あるテーマについて全員で意見を出し合い、他者の意見に対して思うことを述べ合い、
最終的に全員が納得する、より良い結論を導き出すことを目的としています。

仕事の会議やグループディスカッションでは、議論が必要になるでしょう。

議論の特徴は、論理的な考えを整理して、正しい結論を目指すこと。

議論の場では、相手の意見を否定したり、自分の意見を通そうとしたりする場面も出てきます。

意見がぶつかること自体は悪いことではありませんが、相手を論破しようと
勝ち負けを意識しすぎてしまい、本来の目的を見失ってしまうことも起こりがちですね。

 

●討論とは?

討論は、ひとつのテーマについて賛成派・反対派のような異なる立場に分かれ意見を戦わせること。

そして賛否の理由を述べることにより、自分の意見に賛成・同調することを他者に求めることです。

学校の授業や政治の場面では、討論が行われますね。

討論では、感情ではなく論理が重視され、いかに説得力のある主張をできるかが重要となるでしょう。

討論の目的は、どちらかの意見・主張が勝つことになりがちです。

「相手の話を聴く」というよりも「相手の意見を論破する」ことに重点が置かれているともいえますね。

 

 

では、対話は?

対話の目的は勝ち負けではありません。

相手を説得するものでもなく、相手の話に耳を傾けて、お互いの価値観や考え方を理解し合うこと。

お互いの考えや気持ちを理解し、より深い関係や新たな気づきを生み出すためのコミュニケーションの手段です。

 

例えば、あなたが同僚と仕事の進め方について意見が異なるとします。

対話では「なぜ相手はそう考えるのか?」「自分の考えとの違いはどこにあるのか?」
を探すことが重要になります。

ただ意見をぶつけるのではなく、「そういう考え方もあるんですね」
「あなたの立場から見ると、そう感じるのですね」と受け止めながら
話を進めることで、より良い解決策が見つかることがあります。

 

対話の基本は、相手の言葉に耳を傾け、自分の考えを伝えること。

そして意見が違っても、相手を尊重しながら話すことです。

対話を深めることで、新たな気づきが生まれ、より良い人間関係に繋がります。
 

スタッフイノウエ