何気なく話しているつもりでも、「伝えたつもりだったのに、相手に誤解された」
「話がすれ違って、うまくいかなかった」という経験はありませんか?
単に言葉を交わすだけでは、相手との理解が深まるとは限りませんね。
対話や対話的な関わりを意識して行うことは、日常的な会話だけでは難しい、
相手を理解し、自分も理解してもらうためのコミュニケーションとなります。
では対話を意識的に行うことで、どのような効果が得られるのでしょうか?
対話がもたらす効果をご紹介します。
① 人間関係が深まる
まず対話の最大の効果は、相手との信頼関係が深まることでしょう。
例えば、あなたが上司や同僚と仕事の進め方について話し合うとき、
ただ指示を伝えたり、意見を言うだけでは、一方通行のやりとりになってしまいます。
しかし相手の考えや気持ちに耳を傾けながら、「どうしてそう考えるのか?」
「どんな経験からその意見を持つようになったのか?」と興味を持って話をすることで、
相手は「自分のことを理解しようとしてくれている」と感じ、その安心感から信頼関係が生まれます。
人間関係が良好になると、職場でもプライベートでも、コミュニケーションがより良いものになるでしょう。
対話を大切にすることは、誤解や対立を減らすだけでなく、相手とより深いつながりを築くことができるのです。
② 課題解決のヒントが得られる
対話によって、新しい視点やアイデアに気づくことができます。
例えば、仕事で問題に直面したとき、一人で考え込んでいても解決策が見つからないことがあります。
しかし、同僚やチームメンバーと対話をすることで、「そんな考え方があったのか!」
「自分では思いつかなかった視点だな」と、新しいアイデアが生まれることがあります。
対話のポイントは正解を求めるのではなく、お互いの意見を出し合いながら、
より良い解決策を見つけることです。
相手の意見を聴きながら考えることで、自分一人では思いつかなかった発想やヒントを得ることができるでしょう。
③ 相手の本音を聴くことができる
対話によって、相手に「本音を話しても大丈夫」と思ってもらえます。
例えば、部下や後輩が悩んでいるとき、「何か問題があるの?」と尋ねても、
「特にないです」と表面的な返事が返ってくることがありますね。
これは相手が「話してもどうせ理解してもらえない」と感じているからかもしれません。
しかし、「最近忙しそうだけど、どう感じてる?」「どんなサポートがあればやりやすくなるかな?」と問いかけ、
しっかりと耳を傾けることで、相手は安心感から「この人は本当に自分の話を聴こうとしてくれている」と、
本音を話しやすくなるでしょう。
本音を聴ける関係ができると、職場でも家庭でも、より良いコミュニケーションが取れるようになります。
④ 誤解や対立が減る
人間関係のトラブルの多くは、誤解から生まれるように思います。
例えば、メールやチャットで短い言葉だけのやりとりをしていると、
相手の意図を正しく理解できず、「冷たい態度をとられた」「怒っているのかな?」
と誤解や勘違いが起こることはありませんか。
しっかりと話をしてみると、「そんなつもりじゃなかったんだ!」と、お互いの誤解が解けることはよくあります。
また、意見が対立したときも、「相手の言いたいことは何なのか?」と
じっくり聴く姿勢をもつことで、単なる言い合いではなく、お互いの考えをすり合わせる対話となるでしょう。
対話を意識することで、感情的な対立は避けられ、お互いを理解・尊重した話し合いができるのです。
⑤ 自分自身の考えも深まる
対話のもう一つの大きな効果は、自分の考えが整理されることです。
普段、頭の中で何となく考えていることでも、人に話すことで、
「自分はこう考えていたのか!」と気づくことがあります。
これは相手に説明することで、自分の考えが整理されてより明確になり、
深く理解できるようになるからです。
また、対話の中で相手の意見を聴くことで、「自分の考えにはこんな弱点があったのか」
「別の視点から見ると、違う解釈もできるな」と、視野を広げることができるでしょう。
対話を通じて、自分自身の成長にもつながります。
スタッフイノウエ