スタッフのひとりごと:対話の説明に出てくる専門的な用語①

対話のことをより深く理解しようとして、本を読んだり、ネットで調べたりすると
共通認識のようにさらっと専門的な用語が出てくることがあります。

「知っておくとわかりやすいかも?」とわたしが思った、対話の説明の中でよく使われる用語をいくつかご紹介します。

用語も扱う人によって意味合いが違っているので
必ずしも皆さんがここにで提示している定義や意味で使ってるわけではない場合もあります。

その辺はご留意いただけますと幸いです。

 

① アクティブ・リスニング

能動的な聴き方、積極的傾聴といわれるもので
相手の言葉に共感と関心を持って積極的に耳を傾けるコミュニケーション技法です。

相手の話を耳で受け取るだけではなく、気持ちや背景にある考え方を理解しようと
「関心を持って積極的に聴く姿勢」のことを指します。

例えば相手が話しているときに、うなずいたり「それはどういうこと?」「なるほど!」
と反応したりすると、話し手は「ちゃんと聴いてくれている」と感じます。

これがアクティブリスニングの基本といえます。

相手の言葉をそのまま繰り返したり(オウム返し)、言葉の背景にある感情をくみ取ったりすることで、
相手が安心して本音を話してくれるようになると、対話はより深いものになるでしょう。

 

② コンテクスト

相手の言葉や話を理解する助けとなる情報、「背景」「文脈」「状況」などのことです。

対話では言葉そのものだけでなく、その背景にある気持ちや考え方も大事になります。

この背景のことを「コンテクスト」といいます。

例えば同じ「いいですね!」という言葉でも、楽しい雰囲気で言うのと、皮肉っぽく言うのとでは、
意味がまったく変わってきます。

相手の表情や声のトーン、状況(どこで・誰と・どんな場面で話しているかなど)を
意識することで、良い対話の内容に繋がると思います。

 

③ リフレーミング

対話を通じて物事の捉え方や解釈を変える、これまでとは別の角度からの見方のように
視点を切り替える(リフレームする)ことです。

話をしていて「なんでそんなふうに考えるの?」と感じたことはありませんか?

リフレーミングとは、ある物事を「違う角度から見る」ことで、新しい意味や価値を見出す方法を指します。

例えば「失敗した」と思って落ち込むのではなく、「これは成長のチャンスだ」と考えるのも、リフレーミングの1つです。

対話の中で「なるほど、そういう見方もあるのか!」と思える瞬間があったら、
それはリフレーミングが起こっています。

お互いの視点を交換して新しい気づきを得ることも、対話の醍醐味だと思います。

 

④ メタコミュニケーション

対話の対話といわれるもので、メタは「上から」や「距離を置く」という意味です。

これは少し難しく思えるかもしれませんが、実はとても身近な考え方です。

メタコミュニケーションとは、今の話し方や雰囲気などについて話すこと。

例えば「ちょっと話がズレてきたね」「この話、感情的になっていない?」と、
対話そのものについて話すことを指します。

対話がうまくいってないかも?と感じたときに、そのまま続けるのではなく、
「今、ちゃんとお互いの話を理解できているかな?」と問い直して確認することで、
対話の中での違和感を解消して進めることができるでしょう。

 

⑤ ノンバーバル・コミュニケーション

「非言語コミュニケーション」といわれ、表情や声のトーン、身振り手振りや視線、雰囲気など
言葉以外のコミュニケーションを指します。

あまり意識はせず、日常的に当たり前のように用いているのではないでしょうか。

対話は、言葉だけで成り立つものではありません。

実は私たちが話をするとき、「話す内容」よりも、話し方や表情などの影響を強く受けています。

例えば無表情で「うん、わかった」と言われるのと、にこやかに「うん、わかった!」と言われるのとでは、
受け取る印象が全然違いますよね。

言葉として語られていない、相手のノンバーバルなメッセージ(目線、身振り手振り、声のトーンなど)にも
注意を向けることは、対話を深めるために大切なことです。

 

今回紹介した専門的な用語はどれも、知っておくと対話の理解をよりスムーズにするためのもので、
用語自体を覚えないといけないわけではありません。

対話をより豊かにするための考え方として見ていただけたらと思います。

 

スタッフイノウエ