スタッフのひとりごと:対話に目的は必要?——深まる対話と話の広がり

対話をしていて「この話、どこに向かっているんだろう?」と感じることはありますか? 

対話に目的は必要なのか————これはとても大事な問いではないでしょうか。

目的の有無によって、対話の形や流れは大きく変わってきますね。

 

【対話に目的があると?】

まず、「目的がある対話」とはどんなものでしょうか。

例えば、次のようなものが挙げられます。

✔ 問題を解決するための対話(会議や相談)
✔ 新しいアイデアを生み出すための対話(ブレインストーミング)
✔ お互いを理解するための対話(面談や雑談)

こうした場面では、 ある程度は方向性があるといえるでしょう。

もし「次のプロジェクトの方針を決める」という目的があるとすると、
関係のない話ばかりしていたら、前に進むことは難しいと感じるかもしれません。

「今、何を話しているのか」「話が目的に沿っているか」を意識することは必要といえます。

ここで気をつけたいのは、 目的があるからといって、常に一直線に話を進める必要はないということです。

話の流れの中で新しい気づきが生まれることもありますし、話題が他にも広がったからこそ得られる視点もあります。

目的を意識することは大切といえますが、そこに縛られすぎると、対話の豊かさが失われることもあるのです。

 

【対話に目的がないと?】

では、 目的をもたない対話とはどのようなものでしょうか。

友人との何気ないおしゃべりや、家族との団らんなどでしょうかね。

こうした場面では、「何かを決めなければならない」というわけではなく、ただ「話すことそのもの」を楽しんでいると思います。

目的がないということは、「何かに向かう」ことを前提としていないため
別の話題に移り変わっていったとしても「話題が流れる」「脱線する」ということ自体がありません。

思いついたことを自由に話し、お互いの気持ちを共有することができるのも
対話の大切な一面だと思います。

 

【目的と話の広がりのバランス】

「対話には目的が必要か?」という問いに対しては
「目的がある対話もあれば、目的のない対話もある。そしてどちらも大切」という答えになるでしょうか。

「今している対話はどちらのタイプか」という点には、お互いの認識がずれないように気をつけたいと思います。

目的がある対話であれば、話が広がり過ぎると「結局、何の話だったのかな?」となるでしょうし、
目的がない対話でどちらかが「結論を出そう」としていると、話しにくくなるでしょう。

自由に発想や話題が広がったことで、思いがけない気づきが生まれることもあるため、
「一度話を広げてから、また元に戻る」というバランスを意識すると対話はより深まるように思います。
 

スタッフイノウエ